聴覚

適度な吸音率

木材や畳の吸音率は、低温から高音まで比較的高く、音を適度に吸収します。一方、コンクリートで囲まれた建物では吸音力が小さく、反射音が大きくなるため、音がよく響き、耳障りに感じられます。
また木材には低い周波域の音を相対的に増幅し、人間の耳にとって耳障りな高周波域の成分を抑える特性があるため、人の聴覚になじみやすくなっています。材料の一端を固定して他端に振動を加えたときの放射音の大きさと周波数との関係を見ると、アルミニウムなど金属材料では、ピークの高さが高い周波数まで変化しないのに対し、木材のピークは周波数の増大に伴って低下します。【図1,2】
図1図2

図3

木の家の住み心地の良さ

さらに、人が聞こえないとされる20~30kHzの超高音域の音が耳に入ると、脳波に変化が起こり、アルファ波が発生し、精神的に安定することがわかっています。こうした超高音域を持つ音は、虫や鳥の声、せせらぎの音の多い所に見られます。驚くべきことに、従来から防音に弱いとされる木造住宅には、この超高音域の音成分が存在し、コンクリート住宅にはこの音成分が存在しません。木の家の住み心地の良さは、このあたりに秘密があるのかもしれません。

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