触覚

人の温熱生理による体感

木材は、金属やコンクリート、ガラスに比べて接触したときにやや暖かく感じられます。こうした材料の温冷感には、熱伝導率(熱の伝わる速さを表す量)が関係しています。
熱伝導率が大きい材料では人の皮膚から熱が逃げやすく、皮膚と材料の温度は低下するので冷たく感じられます。逆に熱伝導率が小さい材料では人の皮膚から熱が逃げにくく、暖かく感じられます。例えばスギの熱伝導率はコンクリートの1/12,鉄の1/483と小さいので、触ったとき温かく感じられるわけです。【図1】
このように木材は熱伝導率が小さいため、調理道具の取っ手や柄、寒冷地におけるガラス戸やドアのノブにも用いられています。
図1

図3

徳島すぎの遮熱性能

また、木造住宅では木材の小さい熱伝導率と適度な熱容量(熱の蓄積容量)により外部の温度変化を伝えにくい効果があります。
【図2】は、種類の違う木造住宅の壁ボードの一方から熱を与え、反対側の熱の伝わり方をはかったものです。ボードの種類は、スギ板30mm、40mm、55mm、スチレンボード25mm、グラスウール50mmの5種類です。スチレンボードとグラスウールは比較的早く裏面の温度が上がりますが、スギ板ではほとんどあがりません。同じスギ板でも厚さの厚い物ほど温度変化が小さくなります。

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